「コンビニ人間」を読んだ感想

確か155回目の芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの「コンビニ人間」を読んだ。夜中の1時に読み始めて、1時半くらいにやめるつもりが、ハマってしまい2時までかけて読み切ってしまった。

読んでから、感想を書かずには居られないと思いながら寝た。起こす行動には冷静な判断が出来たが、気持ちは穏やかでなかった。

読みながら、「私は空っぽなの」と、ある時の彼女に言われた事を思い出していた。彼女もまた、自分の個性は社会に適応しづらい、生きづらいと感じていて、普通であろうとしていた人だった。だけど、彼女の気持ちは今ならわかる部分もある気がする。

コンビニ人間の主人公の気持ちは、自分には微塵もわからなかった。何なら、キーパーソンである別の男の気持ちもわからなかった。共感度ゼロのキャラなんて滅多にいないので、新鮮だった。

主人公は、本当に空っぽの人間で、感情が完全に抜け落ちている。本では言及されていなけど、恐らく趣味も無く、好きな音楽なんていうのも存在しないんだろう。

ただ生きているだけのコンビニバイト、という感じ。ただ生きているだけ。この、ただ生きているだけっていう言葉を体現することが、どれだけ空虚かを感じた。

そう考えると、人間ってただ生きているだけ、にならないようにもがいているんだなと改めて思った。普通であることがどれだけ苦労することか、しかしそれが、どれだけ人間らしい苦労か、ということを考えさせられる、良い作品だったと思う。

とりあえず心がざわざわする。ホラーを読んだ後のような気分。村田沙耶香ヤバいわ。

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