covid-19の影響を受けた大学は学費を減額・一部返還するべきだ

2020-04-27 0 投稿者: akane-liu22

国立大学も私立大学もcovid-19の影響をうけ、学生を正常に通わせられないどころか大学を閉鎖している場合が多く見受けられるようになってきた。ここまでは適切かつ迅速な判断により決定した場合が多く、対応の早さは称賛されるべきだと思う。

しかし、ここにきて、公私大ともに支援金という手段で学生を援助しようとし始めた。アルバイト等ができず、生活が苦しくなる学生を支援する目的だという。これも称賛に値する対応であると思う。早稲田大学は全学生に10万円ずつ配るという情報もある。結構なことではないか、と思えなくもない。

しかし、本当か?

そもそも前期の学費が満額取られるのはおかしくない?

そう、おかしいでしょう。なんでそうなる? 5億歩くらい譲って、座学については全科目オンラインで授業をする(遅れた4月分も何らかの形でカバーする前提)、かつ、全学生が等しく出席できる状況なのであれば、学費のうち授業料はそのままでも良いかもしれない。

ここで重要なのは授業のクオリティではなく機会均等が担保されるかどうかだ。サボる人間というのはどういう状況においてもサボるわけだが、学校の事情で一部の人が授業をまじめに受けたくても受けられない、という状況はそう簡単に起こるはずがない。というか起こっていいはずがない。なぜなら、既にその教育を受けられる権利を持つ人たちは全員同額を支払い済みであり、大学側は見合ったサービスを提供する義務があるためだ。

というかそもそも、授業料というのは、実際の価値が見えない(少なくとも見えづらい)教育サービスとしての授業に対して、「まぁこのくらいが妥当だろう」と付けられた金額のことであって、それはもちろん対面での黒板の授業が前提である。もちろん、最近はパワーポイントの資料だけでの授業なども多く展開されているが、まぁそういうのは問題ではない。重要なのは全員が、障害等の個人のハンディキャップを除き、確実に均等に受けられるかどうかだ。

web授業が持つ最大のデメリットの一つに、本来、教育サービスを展開する側が整備するべき授業環境のクオリティが操作できず、各学生の家の事情によって左右されてしまうことがある。まぁ通信費なんていうのは交通費の生まれ変わりと思えば許せないものではないと思うが、全員が万全な環境を用意できるとは限らない。ノートと鉛筆1本持ってくれば受けられる環境を大学側が整えてあげられないことが、教育の提供方法として致命的な欠陥となるのである。

最悪、講義に必要なノートPCや通信費くらいは「お金さえかければ」十分に各家庭で準備できる。しかしこういった問題はどうだろうか。

  • 同居の家族に在宅勤務が多く通信が重くて映像がうまく再生できない
  • 在宅勤務の増加に伴う回線負荷増大によって通信が重くなり映像が再生できない
  • 授業する側がそもそも電波悪い

この手の通信関係の問題は、個人の力で解決できるレベルではなく、かといって大学側も一人一人の通信環境事情に付き合っている暇は作れない。これはもう地獄絵図だ。誰かが受けられていないのにも関わらず、時間だけが過ぎていく。電車が遅延して間に合いませんでした、とはわけが違う。個人の問題にされるからこそ、補填が利かないというのは、最悪な状況とすらいえるだろう。

だからこそ、この有事に急遽移行したシステムでオンラインの授業が平時と同クオリティで提供できるはずもなく、対面および大学構内で行われることを前提とした授業料は少なくともこの4月5月の大学に支払う金額として適切だとは到底言えないのである。逆に適切であると胸を張り、同等のクオリティの授業を全員が滞りなく受けられています、という大学があればそれは大いにモデルケースとして称賛されるべきだけど(絶対に存在しないと断言できるが)。

授業とは少し角度を変えて、オンラインで大学生活を送ることになることについても注目してみる。

オンライン大学生活のデメリットは数え上げたらキリがないが、対面に比べてクリティカルに出てくるのは「周囲の学生との交流」だろう。令和2年の我々は何もかもオンラインが当たり前の時代に生きているわけではないため、勉強した内容を友人と共有するとか、教授あんな話をしていたけどそれはどうなんだろう、とか、とにかく「ディスカッションする」ことがオンラインでは不可能なのである。

高田馬場にある某都の西北大学は学内での学生同士のディスカッションの重要性にいち早く気づいた大学の一つであり、ありとあらゆる手を尽くし、学生同士がディスカッションできる場所づくりを懸命にやってきた。そういった部屋や施設はラーニングコモンズ、なんて名前がついていたりするし、新しく設置されたホワイトボードもたくさんある。

とにかく、「学びたい人達が一人ではなく集まって学ぶことができる」環境をあの手この手で提供するという、素晴らしい取り組みをしていたのである。で、大学はそういったものの設置など、授業料とはニュアンスの違う、学習環境の提供の対価として「教育充実費」や「教育環境整備費」なんて費用をとっているわけだ。が…

この費用、今年も満額取るの?

だって、意図したサービスとして一ミリも機能していないよね?この教育充実費の使用先は。まぁ、場合によっては施設費とかもそうだ。大学の図書館等の設備が使えないのに、施設使用料を満額取る大学もあるだろう。先払いでサービスは提供しないって、詐欺と何が違うの?不誠実極まりない対応であるといえる。

この時点で気に入らないことが一つあって、「現状、大学は何か損をしたか?」という話である。こんな状況でも当然のように寄付金は入ってくるし、学費も一括払いで振り込まれている。これが一番気に入らない。学生からみた大学って、お金だけは満額もらうよ、サービスは平時より低いものを提供することになるけど、と言っているのと何ら変わらないのである。

そんな倫理的にアウトな運用をしていてはさすがに角が立つということで、各大学はこぞって支援金などといってお金を配り始めたようにしか自分には見えない。学費を返還するのはコストが高く嫌なので、適当に10万円なり5万円なりを学生に支給することでごまかそうとしている、と。

到底、看過できる状況ではなく、いやまずは学費のうち施設充実費みたいなお金と、やってもいない実験実習費みたいなお金の返還が先だろうと。ひいては、授業もまともにはできないので一部返還します、どうか大学をやめるという選択肢だけは取らないでおくれと、まずは自分らの提供できる教育水準が恐ろしく下がってしまっていることに対する真摯な対応が為されて然るべきだ。

そんな中、支援してますよアピールに必死な、都の西北にある某大学は、卒業生である僕を含め、以下のような内容のメールをOBOGに一斉配信した。社会通念上、本文をそのまま写す事に抵抗があるのでざっくりいうと(紫字は僕のツッコミ)

「本学では、covid-19の感染拡大を防止するためにオンライン授業への移行を行いました。一方、経済的に困窮し、修学(メール本文の誤字。「就学」だろメール執筆者は初等教育からやり直してくれ)に困難をきたす学生が出ている事実があります。そのため、本学としてもそのように経済的な理由で学業を諦める学生を一人も出したくない、また、この災禍を乗り越えた暁には建学の精神に基づき社会で活躍する人材を一人でも多く輩出したいという決意のもとに、総額5億円の支援策を講じました(総額でごまかしているがこれは寄付金でいうと1か月半分くらいに過ぎない)。これは付属校などに支援する金額も含んでおり、経済的支援が目的であります。

ひいては、本学の卒業生など、関係各者から法人個人団体を問わずご支援が欲しい次第であります。寄付の案内を本メールの最下部に載せます。(え、卒業生からまだお金とるの?)

本学は有事であってもすべての学生に対して質の高い教育を提供するため、努力を惜しみません(じゃあ学費に釣り合った教育が提供できるんだな?)。これはSDGsの考え方にも当てはめることができます(脈絡のないSDGsの話。これを乗せる意図が不明)。本学の学生で経済的な理由で学業を諦めてしまう人が一人もでないよう、皆様のご協力をお願いいたします」

寄付金の案内はこちら(リンク貼り忘れ。本気で寄付が欲しい訳ではないらしい)

…。最後の部分はリンクを貼り忘れていて、ちゃんとリンクのついたメールが再送されてきた。そのあと、誤送信のブランクメールもついでに届いた。この時点で、メールをみた多くの卒業生はこう思ったはずだ。

「ミスのメールなんて、この混乱の最中でも平常運転だねぇ。相変わらず無能な事務に振り回される学生はかわいそうだ。しかしこんな、メールひとつまともに遅れない事務を雇う大学が主張する『質の高い教育』っていったい何なのかな?(笑)」

もちろん愛校心が強かったり、キリスト並みに親切な人は寄付もするだろうけど、マジョリティの反応は↑みたいな感じだろう。いい加減にしてほしい。まず内容以前に事務がポンコツすぎる。

そんなポンコツみたいなミスはもはやどうでもいいとして、経済的な支援が目的らしい。いかにもであるが、学費を返してあげる方がよっぽど対応としては真摯である。しかもだ。しかもこのメールの書き方だと、「無理して5億円だしたので寄付で大学を助けてください」なことに一番腹が立つ。なんで卒業済みかつ学費支払い済みの我々が、学生への直接支援ではなく大学への寄付をしなければならんのだと。

まぁここまで色々と書いてきたけど、何が言いたいかというと、大学が本当に「一人でも経済的な理由で就学を諦める学生を出したくない」かつ「有事においてもすべての学生に質の高い教育を提供したい」のであれば、

  • 実験実習費は全額、教育設備充実費は8割(オンライン対応のため2割は徴収)の返還を行い、授業料も個人の事情、または通信不良により通常カリキュラム通りに受けられないなどの不具合があった場合には相当分を返還いたします
  • 経済的な支援策として緊急性が高いと判断される学生、また通信環境が万全でない学生を中心に支援を行います。ひいては5億円の財政出動が準備済みであり、こちらは全員に均等に配ることを念頭においています
  • それでも経済的に困窮する学生を一人も出さないよう、専用の寄付窓口を開設してOBOGを中心に協力を呼びかけ、寄付金は全額を学生の支援に充てます。
  • オンライン化に伴うトラブルなどの相談窓口を開設しますので、いつでもご相談ください

こうでしょ。この順序で作ってから、OBOGに説明するべきだろう。とりあえず総額が大きいからいいでしょみたいな感じで適当に支援金を配るようにしか見えない状況で、かつミスが目立つわ脈絡がよくわからないわのメールを3通も送ってくるその神経が、本当に理解できない。いい加減にしてくれ。通っている学生が本当にかわいそう。

学費の減額や返還を求める運動が広がっているらしいが、もっともな活動だと思う。旅行会社や航空会社なんかは頭金を除き、この有事でもキャンセル料などをしっかり支払っている。大学だけが何もしなくていい理由なんかあって良いはずがない。活動中の学生にはぜひ頑張ってほしいし、応援してます。こんな不誠実な対応は、せめて無言で見過ごさないでほしい。